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ロールプレイングで指導を体験! 「放課後学習支援員」の初回研修レポート

学校や公民館で働く放課後学習支援員の仕事を始めてみたいけど、「経験がない」「子どもと会話できるか心配」など、不安や心配ごとがたくさん……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。放課後学習支援員では、新しく勤務する講師全員を対象に初回研修を実施しています。実際に研修会場を見学し、全体の流れや雰囲気などをまとめました。

子どもたちの未来を育てよう

学校や公民館で児童・生徒に勉強を教える“放課後学習支援員”をご存知ですか? 子どもたちの成長を隣でサポートできるやりがいに加えて、「週1からOK」「残業なし」といった好待遇も魅力的なお仕事です。

学習支援に必要な知識や指導スキルさえあれば、教育免許や塾の勤務経験がなくても働けます。とはいえ、「経験がなくても大丈夫?」「子どもとうまく会話できるかな……」など、働く上で気になること、心配なことはたくさんありますよね。

そんな方もご安心ください。放課後学習支援員では、講師として新しく勤務される方全員を対象とした、学習会ごとの初回研修を実施しています。こちらを受講すれば、児童・生徒との関わり方や業務内容など、働く前に知っておきたいことが丸わかり。同じ時期に「放課後学習支援員」としてデビューする、他の新人講師さんとも仲を深められますよ。

今回の記事では、先日開催された研修会を見学した筆者が、研修全体の流れや雰囲気、参加者の様子についてご紹介します。

土曜日の参加もOK!

放課後学習支援員の初回講習は、基本的に朝/昼/夜、3つの時間帯に分けて実施。おおよそ2時間ほどの内容です。研修は土曜日にも開催されているので、「平日は仕事が忙しくて…」という社会人の方も参加しやすいでしょう。

今回見学したのは、首都圏にある某自治体の公民館で開催される学習会の初回研修。こちらの学習会は、生活困窮世帯の子どもに対する学習サポートを目的としています。受講対象者は、児童・生徒に寄り添い学習をサポートする “講師職”として、新しく勤務を始める方々です。

バイト未経験でも安心

開始時刻の少し前に運営スタッフの方が入室され、参加者が円卓を囲むような形で着席。いよいよ初回研修スタートです。放課後学習支援員のお仕事では、学生から社会人、シルバー世代まで幅広い年齢層の方が活躍中。今回の研修にも、大学生~ミドル世代まで、さまざまな年代の方が集まっていました。

研修の冒頭に、学習支援に利用する“指導報告書”や講師用の体調管理シートなど、1日の学習指導の概要を確認。印象的だったのは、どの項目でも説明が丁寧だったこと。説明内容が変わるたび、スタッフの方が「不明点はありますか?」と確認されていました。「バイトは初めて」という学生さんでも、安心して研修に参加できるでしょう。

自己紹介で打ち解けよう

上記の説明が終わると、次は参加者同士の自己紹介タイム。名前/勤務予定日/参加会場/指導経験の有無といったトピックを、他の参加者や運営スタッフの皆さんに共有します。

「大学で語学を専攻しているので文系科目が得意」「英会話ボランティアの経験あり」「塾で数学を担当していた」など、指導しやすい科目や自身のユニークな経験について、皆さん楽しそうにお話されていました。質問を投げかけたり、得意分野を深く聞いたりと、運営スタッフの方が適宜サポートしていたので、「自分のことを話すのは苦手」という方でも安心してください。

参加会場が同じ/学生同士/指導未経験同士etc. 他の参加者との間に共通点が見つかれば、それをきっかけに打ち解けるもの。実際、働き始める前に仲間と良い関係を築けるのは、きちんとした研修制度が設けられている放課後学習支援員ならではのメリットです。

子どもとの接し方は??

自己紹介タイムの次は、配布された紙マニュアルを読みながら、子どもと接するときのポイントや、初回の業務内容について理解を深めます。マニュアルは後から読み返して使えるように、指導に関する情報がたっぷり盛り込まれているとのこと。今回の研修では、その中からいくつかのポイントをピックアップして解説していました。

研修の様子を見学していて気になったのが、学習指導テクニック以上に、礼儀や挨拶などを守らせる“しつけ”に重点が置かれていることです。その理由を運営スタッフの方にお尋ねしたところ、「友達のように接しすぎると、子どもが指示やお願いを聞かなくなってしまう」ことが理由なのだとか。講師の方々に負担をかけないため、また子どもたちに社会性を学ばせるためにも、「先生と生徒」という線引きを意識することが重要なのですね。

机や椅子の保管場所/指導時の席配置など、初回参加時に必要な情報がしっかり説明されていたのも好印象でした。会場を訪れたはいいけど「何をすればいいのかわからない……」と悩むこともなさそうです。担当する児童・生徒の学習状況や課題など管理する「指導報告書」の書き方も、壁に投影したスライドを用いて詳しく解説。参加者からの質問にも、運営スタッフの方が1つ1つ丁寧に答えていましたよ。

そのほか、使用教材や入退室管理システムの利用方法、遅刻や欠勤時の連絡手続きなどについても説明がありました。放課後学習支援員では、わからないことを先輩講師に相談できる“バディ制度”を導入するなど、新規講師の受け入れ体制は万全。経験を問わず、誰でも働きやすい環境が整っています。

「子どもに教える」を体験!

研修の後半には、参加者が講師&生徒になりきる“模擬授業ロールプレイング”が実施されました。目的は、講師1人が2名の生徒を教える実際の指導形式を体験し、子どもたちと打ち解ける方法を習得することです。初対面の子どもと雑談を交わしてから学習指導を始めるまでの流れを、1回約5分間のロールプレイングで学びます。

まずは運営スタッフの方が講師役となり、お手本を見せてくれることに。スタッフさんによれば、児童・生徒の緊張をほぐすコツは「好きな漫画は?」「お気に入りの食べ物は??」「休みの日はなにしてる?」など、彼らが答えやすい質問から会話を切り出すこと。いきなり学習指導を始めたり、自分のことばかり話したりすると、子どもたちが必要以上に身構えてしまいます。まずは心理的な壁を取り除くことが大切といえるでしょう。

運営スタッフの実演が終わると、いよいよ参加者同士で行う模擬授業のスタート。模擬授業は3人1組で行い、全員が講師&中学生役を担当します。はじめは生徒の役を恥ずかしがる方もいましたが、慣れてくると皆自然にロールプレイングできるように。会場に和気あいあいとした雰囲気が広がっていました。

全員のロールプレイングが終了したら、最後は参加者同士で感想をシェアします。「教える雰囲気を掴めた気がする」「上手に話せそう」「先生としての威厳を保ちつつ、フレンドリーに接する線引きが難しい」など、思い思いの感想を共有していました。

まとめ

全体的に和やかなムードで進行し、あっという間に2時間が経過。自己紹介やロールプレイングを体験したこともあり、参加者同士もすっかり打ち解けていました。この研修を受ければ、教育現場に携わった経験がない方でも、不安な気持ちに押しつぶされず、初回のお仕事に臨めるだろうと、感じました。冒頭で述べた通り、研修を受講した時間分の研修費も支払われるため、満足度の高い時間になるのでは。

特別な資格や免許なしで気軽に始められる、放課後学習支援員というお仕事。教育格差/教員の過労/子どもの貧困etc. 社会課題の解決に当事者としてかかわれる点もやりがいの1つです。興味のある方は、ぜひEWORKに会員登録してみてくださいね。
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